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【産経抄】会議は踊る 8月4日

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【産経抄】
会議は踊る 8月4日

 フランス革命とナポレオン戦争によって、ヨーロッパは大混乱に陥った。1814年9月から始まったウィーン会議は、その秩序の回復を目的に開催された。当初は2カ月程度で合意に達するとみられた会議は、意外にも紛糾を重ねる。

 ▼ロシア、プロイセン、オーストリアなど列強が、広大な領土獲得を狙って、お互いに譲らなかったからだ。市民の目には、王侯や政治家たちが、晩餐(ばんさん)会や舞踏会にうつつを抜かしているとしか映らなかった。

 ▼「会議は踊る、されど会議は進まず」。軍人にして文筆家、ド・リーニュ侯が口にした風刺の一句に、市民は大いに留飲を下げたという(『会議は踊る 帝都ウィーン物語』幅健志著)。後にウィーン会議を舞台にした、オペレッタ映画の題名にもなる。

 ▼5年前から交渉が始まった、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉では、晩餐会や舞踏会で時間が浪費された形跡はない。にもかかわらず、日本時間の1日午前閉幕した閣僚会合でも、大筋合意には至らなかった。会議は、踊ったままである。ニュージーランドは土壇場になって、日米などに自国産乳製品の輸入量の大幅な拡大を要求してきた。はたして交渉をまとめる気があるのか、疑わしくなる。

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