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【話の肖像画】赤坂芸者・育子(75)(1) 若い子に負けてたまるか

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【話の肖像画】
赤坂芸者・育子(75)(1) 若い子に負けてたまるか

赤坂芸者 育子さん(長尾みなみ撮影)

 〈踊りの合間にはお笑いコンビ、日本エレキテル連合の「ダメよ~ダメダメ」という掛け合いを取り入れ、笑いを誘う場面もあった〉

 花街の中でも赤坂は花で例えるとボタンかな。あでやかで、色とりどりの華がある。赤坂はどんどん新しいことにチャレンジできる土地柄です。赤坂をどりでも、伝統の踊りを見せるところはちゃんと見せて、新しいものも取り入れていきたいと思っています。赤坂をどりは赤坂芸者の集大成であり、1年間お稽古をして、感謝の気持ちを示す場。新橋や浅草などを含めた東京六花街の一つとして、赤坂の名に恥じない舞台にしたい、という気持ちでいっぱいです。

 〈政財界の要人に呼ばれることも多く、赤坂で知らない人はいない存在だ。75歳となった今も、連日、忙しくお座敷を勤めている〉

 芸者さんはお座敷での話を聞いちゃいけない。右から左に流さないといけないんです。そして、お座敷を一歩出たら忘れないといけないので、たとえ廊下で、さっきまでいたお座敷のお客さまと会っても「先ほどは…」とは言えない。「しばらくでございます。ご機嫌いかがですか」と挨拶しなければなりません。お座敷の中の話を漏らしてはいけない。それが花柳界の決まり事です。だからこそ、お客さまも来てくださるんです。

 うちの置き屋の子は、料亭のおかみさんに「育子ちゃん元気?」って聞かれると「(置き屋の中で)一番元気です」って答えているそうです。若い子に負けてたまるか、という良いプレッシャーをみんなから与えられています。(聞き手 滝口亜希)

                   ◇

【プロフィル】育子

 昭和15年、熊本市生まれ。地元で長唄の師匠に弟子入りし、芸者見習いの「半玉(はんぎょく)」となった後、39年に上京。以来、現在まで、赤坂芸者として第一線で活躍する。「赤坂一の美人」との評判を呼び、週刊誌の表紙も飾った。多くの著名人と交流があり、歌舞伎座や国立劇場のほか、テレビ出演も多数。赤坂芸者が華麗な踊りを披露する伝統の「赤坂をどり」では、演目決めの段階から中心的に関わる。現在は置き屋の主として、若手芸者の育成にも力を注ぐ。

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