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【主張】ギリシャ国民投票 反緊縮で「勝利」得られぬ

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【主張】
ギリシャ国民投票 反緊縮で「勝利」得られぬ

 財政危機のギリシャ国民にとって、真の「勝利」につながるとは到底思えない結果である。

 欧州連合(EU)などが求める財政再建策の賛否を問うた同国の国民投票は反対多数となり、チプラス首相が勝利宣言した。「反緊縮」の民意を盾にEU側と強気の交渉に臨む考えだ。

 ただ、破綻回避の責任は第一にギリシャ側にある。投票結果を理由に痛みを伴う改革から逃れるのではEU側の理解を得られまい。結果的に苦境に立つのは自国民だと強く自覚すべきだ。

 支援策がまとまらないまま、財政破綻に追い込まれる事態は許されない。EU側も迅速な打開に向けて協議を加速してほしい。

 チプラス首相は、年金減額や増税が盛り込まれた再建策をEU側の「脅迫」と位置づけ、それを拒むことが民主主義の勝利なのだと訴えてきた。だが、首相は民主主義をはき違えていないか。

 再建策の中身を詳細に説明しないまま、国民の緊縮疲れに乗じて主張を押し通そうとした手法は典型的な大衆迎合主義だ。政権による扇動といってもよかろう。

 このままではギリシャは欧州中央銀行(ECB)などへの借金返済に応じられない。年金支給や銀行救済に充てるため、独自通貨を発行し、ユーロから離脱する恐れも一気に現実味を帯びた。

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