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【正論】安保法案あげつらう余裕はない 麗澤大学教授・八木秀次

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【正論】
安保法案あげつらう余裕はない 麗澤大学教授・八木秀次

 現行憲法は、わが国がポツダム宣言を受諾して第二次世界大戦に敗れ、連合国の軍事占領を受けている中で制定された。戦後の国際秩序は連合国が中心になったもので、一般に「ポツダム体制」と呼んでいる。そこにおける日本の位置付けは、連合国の旧敵国で、「米国及び世界の平和の脅威」(米国の初期対日方針)というものだった。そしてそれを固定するものが現行憲法であり、とりわけその9条2項だった。

 憲法の原案を起草した連合国軍総司令部(GHQ)民政局の次長だったチャールズ・ケーディスは憲法制定の目的は「日本を永久に非武装のままにすることだった」と後に語っている(古森義久著『憲法が日本を亡ぼす』海竜社)。9条2項が戦力の不保持や交戦権の否認を規定したのは日本にそのようなものを持たすと悪事を働き、世界平和の脅威になるという認識に基づいていたからであり、そのために「非武装」にしようとしたのだった。憲法改正の要件を世界有数の厳しいものにしたのも非武装を「永久」のものにするための措置だった。

 ≪サンフランシスコ体制へ≫

 しかし、「ポツダム体制」は長くは続かなかった。連合国が内部分裂し、東西冷戦すなわち自由主義対共産主義の激しい対立が発生した。東アジアではそれが朝鮮戦争として現れ、これによって米国の対日認識も大幅に変わった。

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