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【正論】安保法案は日本存立の切り札だ 京都大学名誉教授・中西輝政

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【正論】
安保法案は日本存立の切り札だ 京都大学名誉教授・中西輝政

 「好事魔多し」というべきか。たとえば年金情報の流出問題などによって今国会後半のスケジュールが見通せなくなったり、声高な反対メディアの喧伝のせいか現時点での各種世論調査など気がかりな要素も見られたりしている。また、6月4日の衆院憲法審査会で自民推薦の参考人がこの法案を「憲法違反」と断じたことが波紋を引き起こした。

 しかしこの参考人は、いわゆる「護憲派」として以前からこの法案に反対する団体の活動に従事しており、またこの10日前の新聞紙上で安倍晋三首相のポツダム宣言をめぐる発言に対しても的外れな批判をしていた人物だった。

 単純な「人選ミス」ともいえるが、従来日本の保守政党や保守陣営は学者の世界の事情にことのほか疎く、およそ学界というものに対し危ういくらい無知なことが多かった。他方、野党や一部メディアはこれを鬼の首でもとったかのように「痛快」がって見せたが、裏を返せば正面からの攻め手に事欠いていたということだろう。

 ≪限定的集団的自衛権に余地≫

 この参考人は「(同法案は)従来の政府見解の基本的論理では説明できないし、法的安定性を大きく揺るがす」とするが、これはまさに昨年7月の閣議決定の際の論議の蒸し返しである。この法案では、いわゆる集団的自衛権の行使には「新三要件」として、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」など、きわめて厳しい限定条件が付されている。

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