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【正論】歴史的「円安」に警戒を緩めるな 東京大学大学院教授・伊藤元重

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【正論】
歴史的「円安」に警戒を緩めるな 東京大学大学院教授・伊藤元重

 円安が進行している。いつのまにか1ドル=120円を上回るような円安水準になってしまった。米国の景気回復に伴う金利上昇、日本の金融緩和による低金利の動きなどが、市場に円安ドル高の流れを作っている。市場関係者の発言を拾ってみると、まだこの円安傾向が続くと予想している人は多いようだ。

 実際、過去の円ドルレートの動きを見ても、リーマン・ショック前には124円を経験しているし、2002年のはじめには135円という水準も経験している。現状でもかなりの円安だがこの15年ほどの間で経験したことがないような水準ではない。この10年から15年に何度か経験した程度の円安にまで進むのはおかしなことではない。多くの市場関係者がそうした議論を展開している。

 ≪日本の大バーゲンが起きている≫

 経済学者の目から見ると、この円安容認論はあぶない議論だ。円ドルだけで為替レートを見てはいけないし、この15年近くの大半の時期で日本が深刻なデフレを経験したことを考えると、今の円レートは円ドルレートで見えている以上の大幅な円安であるからだ。

 専門家は実質実効為替レートという指標を使って円レートの水準をみる。それでみれば現在の円レートの水準は1973年頃の水準に匹敵するものである。過去40年で最も円安ということになる。

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