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【一筆多論】看過できぬ中国の経済覇権 長谷川秀行

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【一筆多論】
看過できぬ中国の経済覇権 長谷川秀行

14日、訪中したモディ・印度首相(右)とにこやかな笑顔を振りまく習主席。隣国インドとの関係強化にも外交攻勢の戦略がうかがえる(ロイター)

 日本の経済外交で、安全保障を含む総合的な戦略性が今ほど求められる局面はないのではないか。中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐる一連の動きをみて、そう実感する。

 中国は、欧州やアジアの途上国などをAIIBに引き込むことに成功した。ただ、AIIBが中国の国家銀行のような色彩を帯びる懸念は払拭されておらず、日米両国は、組織運営が不透明などとして参加を見合わせたままだ。

 中国の経済的な外交攻勢と連動するように、日米政権の中枢は最近、中国抜きの環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の戦略的意義を再三強調するようになった。

 安倍晋三首相は米議会で「単なる経済的利益を超えた長期的な安全保障上の大きな意義がある」と演説した。オバマ大統領は「世界経済のルールを作るのは中国のような国ではない」と語り、米国防長官まで「空母1隻と同じくらい重要だ」と言うほどだ。TPPに絡み、日米でこれほど露骨な表現が相次いだことはなかった。

 日本の経済外交は、過去にも米国との貿易摩擦などで真価が問われる局面があった。だが、それは西側の一員という基盤の上での話である。国家資本主義である中国とどう向き合うかは、これとは質的に異なる面があろう。

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