産経ニュース

【正論】理系教育を破壊する就活長期化 同志社大学教授・三木光範

ニュース コラム

記事詳細

更新

【正論】
理系教育を破壊する就活長期化 同志社大学教授・三木光範

 ≪一番頑張ったのは就活か≫

 街に就職活動の学生が多くなってきた。企業の人事担当者が面接で尋ねる。「大学で一番頑張ったことは何ですか?」。学生が答える。「就職活動です」

 これは笑い話ではなさそうだ。

 経団連が策定した「採用選考に関する指針」に基づき、今年度から「学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動の早期開始を自粛」し、選考活動を「卒業・修了年度の8月1日以降」とした。

 しかし、今年度の企業の採用活動は昨年の夏のインターンシップから事実上始まっており、昨年末までに選考を終え、すでに内定を出した企業も多い。一方、昨年通り4月頃から選考を開始する企業や経団連の指針を守って8月1日から選考を始める企業も多い。

 学生の学業支援のために行った改革がその目的を果たさず、逆に、学生の就職活動は昨年の夏頃から今年の秋まで、延々と1年以上も続くことになり、大学教育は大きく阻害されている。

 文系の大学生の場合、3年生までは学業に専念し、4年生は実質的にはほとんど何もしないのだから、4月から10月の内定確定まで、就職活動すれば良いという考えで企業の選考を4カ月遅くしたというなら、百歩譲って理解できる。

「ニュース」のランキング