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【鈍機翁のため息】(267)間奏 VI 中国を利する改憲論

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【鈍機翁のため息】
(267)間奏 VI 中国を利する改憲論

 朝日新聞に書いた「左折の改憲論」で池澤夏樹さんは、フィリピンが米軍基地を一掃したという実例をあげ、わが国もそれが不可能ではないとにおわせる。

 しかし、この書き方は狡猾(こうかつ)である。確かにフィリピンは1990年代に入って米軍基地を一掃し、95年を最後に米軍との共同軍事演習も取りやめた。

 ところがである。中国は米軍撤収の直後からフィリピンが領有権を主張する環礁(ミスチーフ礁)を占領して建造物を構築した。結局、フィリピンは99年に米軍との共同軍事演習を再開することになる。池澤さんは尖閣諸島を中国に占領してもらいたいと考え、改憲論を唱え始めたのかと勘ぐりたくなってしまう。その論は書斎の思考実験としては面白いが、現実的には完全に愚論だろう。池澤さんは、いまもって日本国憲法前文がうたう素晴らしき世界を生きているのか…。

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