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【産経抄】放課後の悲劇 4月10日

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【産経抄】
放課後の悲劇 4月10日

 ジャズ・ミュージシャンの坂田明さんは、広島県呉市にある海辺の村の出身である。小学生時代の一番の思い出は、自転車を買ってもらったことだ。放課後に早速、校庭で練習を始めた。

 ▼昭和30年ごろの小学校の校庭は、子供にとっての「解放区」だったという。何をして遊んでもよかった。「ガキどもが三角ベースの野球で走りまわるし、マリつきやゴム跳びをする女の子たちが、キャッキャッと黄色い声をあげる」(『瀬戸内の困ったガキ』晶文社)。

 ▼悲劇が起こったのは、それから50年後である。瀬戸内海をはさんで呉市の対岸にある、愛媛県今治市の小学校では放課後、子供たちがサッカーに興じていた。小学6年の男児が蹴ったボールが、門扉を越えて道路に転がり、オートバイの80歳代の男性がよけようとして転倒した。男性はその1年4カ月後に肺炎で死亡する。

 ▼遺族は男児と両親に賠償を求めて裁判を起こし、1審、2審はいずれも男児の過失を認め、両親に賠償を命じた。ところが最高裁はきのう、2審判決を見直して、両親の責任を否定した。当然の判決だろう。

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