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【主張】親の賠償責任 「日常感覚」に沿う判断だ

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【主張】
親の賠償責任 「日常感覚」に沿う判断だ

 ゴールの後方10メートルには門扉があり、その外側に道路があった。1、2審判決は、ゴールの後方には道路があり、ゴールに向けて蹴らないよう指導する監督義務があったなどとして、両親に賠償金の支払いを命じていた。

 ゴールに向けてボールを蹴らなくては、競技が成り立たない。ゴールと道路の位置関係に問題があるとすれば、両親の監督責任ではなく、小学校の施設管理を問うべきだったろう。

 平成25年8月には名古屋地裁で、認知症の91歳男性がJR東海の電車にはねられ死亡した事故で、JR側が遺族に振り替え輸送代など損害賠償を求め、720万円の支払いが命じられた。

 男性には徘徊(はいかい)の症状があり、85歳の妻らが介護していたが、目を離したわずかの間に男性は自宅を出て、線路内に立ち入った。

 2審で賠償額は半分に減額されたが、大きすぎる責任と隣り合わせでは、在宅介護が立ちゆかなくなる恐れもある。今回の最高裁の判決は、認知症患者の家族の責任範囲や賠償義務など、今後の判断にも影響を与えるだろう。

 子供が外で遊べない、認知症高齢者の閉じ込めといった悪習を助長するような結果を招くことは、司法の本意ではないはずだ。

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