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【産経抄】「どんなに細かい『やらせ』も、ウソである」…NHK「クローズアップ現代」やらせ疑惑に見る映像の信憑性

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【産経抄】
「どんなに細かい『やらせ』も、ウソである」…NHK「クローズアップ現代」やらせ疑惑に見る映像の信憑性

 仕込みの手間がミソだという。ドキュメンタリーの草分けで知られた牛山純一さんは、日本テレビの番組「すばらしい世界旅行」の制作に際し、下準備に年単位を費やした。スタッフは5年前から各地に飛ぶ。現地に住む。言葉と習俗になじむ。人脈を築く。

 ▼牛山さんは生前、小紙に語っていた。「真実を求めることの迫力で勝負すべきであり、それを苦しみ抜いてやってきた」。余計な「角度」と「色」を排した、ありのままの映像に勝る価値はない。スポンサーの日立製作所が「何も口を出さないから」と、先立つ制作費を支え続けたのもうなずける。

 ▼調査報道を信条とする、そのNHK番組はどうか。詐欺の仲介役として登場した男性が、記者から「演技をしてほしいと頼まれた」と証言した。「クローズアップ現代」などで昨年放送された内容に「やらせ」の疑いがあるという。

 ▼他に出てきた「多重債務者」の男性も詐欺の活動拠点とされた事務所の借り主も、記者と面識があったとされる。調査報道にしては怪しい相関図である。記者は局内で「敏腕」の評価を得ていたというが、演出家としての腕を買われたわけではあるまい。何をどう仕込んだか明らかにしてもらおう。

「どんな細かい『やらせ』でもウソであり…映像表現の力を失わせる」

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