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【主張】首都の減災 集中的に防火対策進めよ

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【主張】
首都の減災 集中的に防火対策進めよ

 今後10年間で、想定される死者数と建物被害を「おおむね半減」させるという。

 政府が掲げた首都直下地震の減災目標だ。

 平成25年12月に公表された被害想定では、阪神・淡路大震災と同規模のマグニチュード(M)7・3の地震が都心南部で発生すると、最悪のケースで死者は2万3千人、全壊・焼失する建物は61万棟にのぼる。

 住民の命を守り、政治、経済の中枢機能を維持するために、具体的な数字を示して、自治体や関係機関、住民の意識を高めようという意図は理解できる。だが、首都直下地震の切迫性と特性を考えると、どうか。目標は「ゆるい」と言わざるをえない。

 その典型が「感震ブレーカー」の設置率だ。

 一定の揺れを感知すると電気が止まる感震ブレーカーは、電気に起因する火災防止に有効だ。ガスでは同様の対策が実施済みだが、感震ブレーカーの設置率は現状で数%程度と推定される。政府が減災目標で提示した設置率は「平成36年までに25%」である。

 中央防災会議の試算だと、感震ブレーカーが全戸に普及すると焼失棟数は半減し、その上で適切な消火を行えば焼失棟数と火災による死者は、ともに20分の1に減少する。減災効果に対して、目標の数値は低すぎる。

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