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【産経抄】暁の超特急とジェット桐生 3月31日

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【産経抄】
暁の超特急とジェット桐生 3月31日

 1932年のロサンゼルス五輪100メートル決勝で、吉岡隆徳さんは、6位に終わった。それでもロケットのように飛び出し、60メートル付近までトップを守った鉢巻き姿の小柄な日本人は、たちまち人気者になった。

 ▼世界のトップに初めて挑んだスプリンター、吉岡さんについたニックネームが「暁の超特急」である。命名した当時の読売新聞記者、川本信正さんは、オリンピックの訳語として定着した、「五輪」の「生みの親」としても知られる。

 ▼100メートルを制した、米国のエディ・トーランが、その黒い肌から、「深夜の超特急」と呼ばれていたことから思いついた。吉岡さんは3年後には、3度も10秒3の世界タイ記録を出す。以来、同種目で五輪の決勝に残った日本人は、残念ながらいない。

 ▼そんな日本の陸上競技の歴史が、まもなく塗り替えられるかもしれない。東洋大の桐生祥秀(よしひで)選手(19)が米国の大会で、ロンドン五輪の入賞者らを振り切って優勝を果たした。しかも追い風参考ながら、9秒87をマークした。日本選手初の公認9秒台、そして来年のリオデジャネイロ五輪決勝も、十分狙えそうだ。

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