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【正論】歴史を見る目歪める「北岡発言」 埼玉大学名誉教授・長谷川三千子

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【正論】
歴史を見る目歪める「北岡発言」 埼玉大学名誉教授・長谷川三千子

 つまり、「侵略」という言葉は、戦争の勝者が敗者に対して自らの要求を正当化するために負わせる罪のレッテルとして登場し、今もその本質は変わっていないというわけなのです。この概念が今のまま通用しているかぎり、国際社会では、どんな無法な行為をしても、その戦争に勝って相手に「侵略」のレッテルを貼ってしまえばこちらのものだ、という思想が許容されることになるといえるでしょう。

 こんな言葉を、安倍晋三首相の談話のうちに持ち込んだら大変なことになります。首相がしきりに強調する「未来志向」ということは、もちろん当然正しい歴史認識の上に立って、平和な未来を築いてゆくのに役立つ談話を出したい、ということに違いない。だとすれば、歴史を見る目を著しく歪(ゆが)めてしまうような言葉や、国際社会において、「法の支配」ではなく「力の支配」を肯定し、国家の敵対関係をいつまでも継続させるような概念は、決して使ってはならないのです。国際政治がご専門の北岡さんには改めて、本来の学識者としての良識を発揮していただきたいものです。(はせがわ みちこ)

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