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【主張】
群馬大病院問題 再発防止の基本忘れるな
早期に検証の手を打てば患者の相次ぐ死亡は避けられたはずだ。同じ医師による肝臓の腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者8人が死亡した問題で、群馬大病院(前橋市)が全ての症例でミスを認めた。
病院の最終報告書は「早期の段階で問題意識が生まれ、検証と対応策を立てるべきだった」と指摘したが、遅きに失したとの批判は免れまい。
死亡した8人の患者は、群馬大病院第2外科で平成22~26年に腹腔鏡を使った肝切除手術を受けた。執刀したのは40歳代の男性医師だった。
病院によると、この医師が執刀した開腹手術でも患者10人が死亡している。うち1人はがんの治療として手術を受けたが良性の腫瘍だった。死亡後に遺族に知らせず生命保険の診断書にがんと虚偽の記載をしていた。医師の名に値しない悪質な行為だ。
難易度が高い手術などの前に必要な院内の倫理審査を受けておらず、患者や家族への説明も不十分だった。死亡症例の検討会もきちんと開かれていなかった。命を預かる病院としてあまりに杜撰(ずさん)ではないか。傷が小さく、患者に人気のある腹腔鏡手術の実績を上げたかったのではないかと疑われても仕方がない。
