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【八百万の森から】「尖閣14億円寄付金」有効な使途

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【八百万の森から】
「尖閣14億円寄付金」有効な使途

葛城奈海

 「あの14億円は?」と人口に膾炙(かいしゃ)することも、ずいぶん減ってしまった。尖閣諸島購入のためにと東京都に寄せられた寄付金のことである。

 平成22年の中国漁船衝突事件での国の対応に危機感を覚え、石原慎太郎都知事(当時)の「尖閣購入宣言」に共鳴した多くの国民の志である14億円は、電撃的な国有化によって宙に浮いたまま、いまだにその行き場を得ていない。

 では、国有化によって尖閣の危機は去ったのか。否、状況はむしろ悪化しているといえよう。

 漁船衝突事件以後、「国がそのようなありさまなら国民自身が『尖閣を守る』気概を見せるしかない」と、志を同じくする草莽(そうもう)の募金によって購入された漁船に乗って、これまで15回にわたり、私は尖閣海域に渡ってきた。そんな私の目に映ってきた尖閣の変化と実情をお伝えしたい。

 24年9月の国有化まで、上陸こそ禁じられていたものの、われわれ石垣島からの漁船団は尖閣の島々に接近ができ、潜り漁も行っていた。それが、国有化とともに、「1カイリ(1852メートル)接近禁止」となり、島に近づこうとすると海上保安庁の巡視船やボートに立ちはだかられるようになった。

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