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【産経抄】歓楽は買い物 2月19日

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【産経抄】
歓楽は買い物 2月19日

 中国はどこへ行くのか。「歓楽に向かう」。2年前に90歳で亡くなった現代中国研究の第一人者、竹内実さんは、こう喝破(かっぱ)していた。

 ▼「学んで時に習う。また説(たの)しからずや。朋(とも)ありて、遠方より来(きた)る。また楽しからずや」。孔子も『論語』の冒頭から、勉学も友人との再会も楽しみと言っている。つまり中国人にとって、歓楽が何より大切なのだ(『中国という世界』岩波新書)。

 ▼きょうから春節(旧正月)が始まった。街を歩けば中国人観光客の姿が目立つ。彼らの「歓楽」とは、ずばり買い物である。家電量販店では、10万円台の炊飯器をはじめ、ステンレス製水筒や美容家電、デジタルカメラの高級機などに人気が集まっている。親戚や友人へのお土産なのか、1人で複数の商品をまとめて購入する人も少なくない。円安とビザの緩和が、「爆買い」と呼ばれるほどの購買意欲をますますかき立てている。

 ▼中国では今、習近平指導部が腐敗摘発運動を推進し、「倹約令」を打ち出しているはずだ。そのあおりを受けて、輸入ワインからフカヒレ、上海ガニまで、高級品の売り上げが激減していると聞いた。まさに、先の大戦時の日本の国策標語のひとつ、「ぜいたくは敵だ!」を地で行っている。もっとも、一度(ひとたび)国を離れれば、「ぜいたくは素敵だ!」ということらしい。

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