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【産経抄】みにくいアヒルの子 2月18日

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【産経抄】
みにくいアヒルの子 2月18日

 雪が降るおおみそかの夜の話である。貧しい身なりの女の子が街角で、マッチを売っていた。道行く人は誰も買おうとしない。寒さに耐えかねた女の子は、マッチを1本、また1本とすっていく。

 ▼デンマークの童話作家、アンデルセンは、19世紀のはじめに貧しい靴直し職人の家に生まれた。『マッチ売りの少女』は、母親をモデルにしているとも、貧富の差が大きかった当時の社会状況を映し出しているともいわれる。

 ▼21世紀のデンマークは、世界に冠たる福祉先進国である。医療費も大学院までの学費も無料、老後の心配がなく、所得格差も少ない。その分税金は高いけれど、国民の多くは納得している。そんな「世界一幸福な国」の首都、コペンハーゲンで惨劇は起きた。「表現の自由」をめぐる集会が開かれていたカフェとシナゴーグ(ユダヤ教会堂)が相次いで銃撃されて、2人が死亡した。

 ▼警察当局に射殺された容疑者は、デンマークで生まれ育った22歳の男だった。パレスチナ難民を両親に持ち、普段からユダヤ人に対する嫌悪を公言していた。過激組織「イスラム国」との関係は不明だが、刑務所で過激思想に染まったとの報道もある。デンマーク社会は、「ホームグロウン(自国育ち)テロ」に大きな衝撃を受けている。

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