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【主張】死刑判決破棄 永山基準見直しも議論を

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【主張】
死刑判決破棄 永山基準見直しも議論を

 殺害被害者が1人の場合は原則として死刑を回避するなどの判断は、「永山基準」に基づくものとされる。

 これは連続射殺事件の永山則夫元死刑囚に対する昭和58年の最高裁判決が示した死刑適用基準で、動機、残虐性、殺害被害者数、被告の年齢など9項目を総合的に考慮し、やむを得ない場合に死刑選択が許されるとした。

 また、最高裁の司法研修所は平成24年の報告書で過去30年間の死刑が確定した事件などを調査し、被害者1人で死刑が確定したのは仮釈放中の無期懲役囚によるものや、身代金誘拐の計画的事件などに限られるとしていた。

 今回の最高裁決定でも千葉勝美裁判長は補足意見で「判例の集積からうかがわれる検討結果を量刑を決める共通認識とし、それを出発点として評議を進めるべきだ」とする一方、「従前の判例を墨守するべきであるとはしていない」とも述べている。

 裁判員が苦慮に苦慮を重ねて出した死刑の結論が、過去の集積結果から逸脱した。「国民感覚や常識」と「先例の傾向」の間に距離があるなら、その理由、背景についての分析、議論を深めることも必要ではないか。

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