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【正論】年頭にあたり 高朗なる明治の精神に立ち返れ 東京工業大学名誉教授・芳賀綏

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【正論】
年頭にあたり 高朗なる明治の精神に立ち返れ 東京工業大学名誉教授・芳賀綏

 戦後70回目の正月である。

 敗戦後最初の年頭、昭和21年の元旦に、昭和天皇の「人間宣言」と通称される年頭詔書が渙発(かんぱつ)された。天皇を神とするのは架空のこと、と神格否定を内外に表明された詔書は、敗戦で荒廃した民心をも、すがすがしく洗うものがあった。「教養豊カニ文化ヲ築キ」という清新な文言なども、深い含蓄、豊かなニュアンスを感じ取らせるものだ。

 ≪近代日本の起点示す年頭詔書≫

 じつは、有名な神格否定の宣言は詔書後半に置かれていて、明治大帝が内外に宣せられた「五箇条の御誓文」の引用から詔書は始められている。この引用は、日本の民主主義は敗戦を機に取って付けたものではなく、明治初年、「廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スベシ」と始まる五箇条の御誓文にその根本理念が明示されており、近代日本の国家運営は民主主義を基底として出発した旨も、この詔書で明らかにしたい、という昭和天皇のご意向によるものだった(平川祐弘『平和の海と戦いの海』。詔書全文も同書に付録)。

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