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【宮家邦彦のWorld Watch】予算は500億円!? 対外発信強化元年に

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【宮家邦彦のWorld Watch】
予算は500億円!? 対外発信強化元年に

マカオ返還15周年の記念式典で演説する中国の習近平国家主席。中国は対外広報に力を入れている =2014年12月20日、マカオ(AP)

 謹賀新年、2015年は戦後70年という節目の年。好むと好まざるとにかかわらず、日本人と日本国家の生き様(ざま)が問われる年になるだろう。そこで注目されるのが日本からの対外情報発信だ。来年度の概算要求で外務省は戦略的対外発信費約500億円を新規要求したそうだ。ゴヒャクオクと聞いて一瞬耳を疑った。そいつはすごい。今年度外務省本体の広報文化予算は約33億円、しかも過去10年で半減している。どうやら安倍内閣は本気で対外発信強化を考えているらしく、実に心強い。

 広報文化というと、筆者にも個人的思い入れがある。2000年から3年半ほど北京の日本大使館で対外広報の一部を直接担当した苦い経験があるからだ。偉い人たちは「対外発信を強化せよ」と簡単に言うが、現場は厳しい。準敵対的環境の中では毎日が激戦。予算を増額すれば好転するものでもない。対外情報発信はそれなりの能力と覚悟のいる大事業だ。

 事業経営の3要素はカネ(金)、ヒト(人)、モノ(物)だそうだが、それだけでは対外発信は成功しない。相手は日本の信用と評判を汚そうとするプロ集団だ。カネ、ヒト、モノに加えてバショ(拠点)とワザ(情報・技術)も当然必要となる。

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