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【主張】第3次安倍内閣 強い日本へ加速する時だ

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【主張】
第3次安倍内閣 強い日本へ加速する時だ

 ■「成長」「憲法」で成果を示せ

 第3次安倍晋三内閣の発足に先立ち、首相は「強く誇りある日本」をつくる決意を表明した。それは衆院選で国民が信任した路線であり、首相は言葉通り、山積する困難な課題に逃げることなく取り組み、実績を挙げてほしい。

 強く、誇りある日本がなぜ必要か。周辺国の威圧に負けないためにも、経済を揺るぎないものにすると同時に、国のかたちを整える必要があるからだ。

 デフレ脱却を確実にし、憲法改正に着手する道のりは険しい。首相の覚悟と与党で衆院の3分の2以上の圧倒的な数を持つ現政権でこそ、それらを可能にする。

 ≪信任を糧に政策遂行を≫

 首相は記者会見で「戦後以来の大改革だ」と語った。懸案を解決する最大の好機を迎え、その責務を果たす意志と受け取りたい。

 衆院選で大勝しても、過去最低を更新した低投票率を理由として「おごってはいけない」との注文が相次いでいる。

 為政者がおごってはならないのは言うまでもない。しかし、「おごるな」という注文が「安倍政治」の路線を否定し、政策遂行のスピードダウンを迫る意味だとすれば、大きな間違いだ。

 2年前の衆院選で自民、公明両党への政権交代が実現した。日本の経済も安全保障も弱めてしまった民主党政権への有権者の批判の受け皿として、自公両党が明確に選択されたということだ。

 これと比べ、昨年の参院選と今回の衆院選は、有権者が安倍政権の継続を認めた意味合いが大きい。首相は自身の路線の加速に力を注ぐ時だ。萎縮すれば、懸案への取り組みは遅れ、日本は衰退に向かってしまう。

 衆院選で最大の争点となったアベノミクスは、より具体的な成果を求められる段階に入った。

 消費税再増税は平成29年4月へ先送りされたが、今後見込まれる医療費など社会保障費の激増を考えれば、確実に増税を実施できる経済環境をつくらなければならない。とりわけ、アベノミクスの3本目の矢である成長戦略の強化が求められる。

 「岩盤規制」を打ち抜くことをためらわず、確実に効果が期待できる方策を打ち出すべきだ。

 高齢化や医療の高度化によって伸び続ける社会保障費の抑制も、喫緊の課題である。支払い能力に応じた負担を求めることを進め、本当に必要とする人へ重点的にサービスを提供するよう改めていかなければ、制度そのものが維持できなくなる。

 「痛み」を伴う改革を成功させるには、社会保障が置かれた実情を丁寧に説明し、国民の理解と協力を得る必要がある。

 首相は22日の経済財政諮問会議で、平成27年度予算編成にあたり「社会保障の自然増も含め、聖域なく見直す」と意気込みを語った。ところが、政府内には75歳以上の低所得高齢者の保険料を安くする特例措置の廃止時期を、先送りする動きがみられる。

 ≪首相が国のかたち語れ≫

 統一地方選や参院選を控え、与党が高齢有権者の反発を恐れているからだという。選挙のたびに改革を足踏みしていては、少子高齢社会を乗り越えることはできない。大衆迎合政治との決別が、力を得た政権の進むべき道だ。

 首相は憲法改正への使命感も繰り返し言及してきた。会見では「歴史的なチャレンジだ」と位置付け、意欲を示した。

 首相自身が憲法改正の必要性を具体的に説いていかなければ、国民の間に理解は広がらない。自民党任せではなく、自分の言葉で国民に語りかけてほしい。

 その際、日本の防衛を不備なままにしている憲法9条の改正は避けて通れない。国防軍の保持を明記した自民党憲法改正草案の意義を訴えるべきだ。

 安倍政権は来年の通常国会に、集団的自衛権の限定行使を可能にする安全保障関連法案を提出する。日米共同の抑止力を高め、日本の平和と安全を確かなものにするため、早期成立が不可欠だ。

 法案審議を意識し、政治資金問題を抱える江渡聡徳(えと・あきのり)氏を防衛相から外し、中谷元(げん)氏を起用した。

 「政治とカネ」の問題は、前内閣での2閣僚辞任の形でも国民から強い不信を招いた。収支に巨額の食い違いが生じた小渕優子前経産相の問題は、説明責任が果たされていない。首相と自民党は自浄能力を示すべきだ。

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