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【メディアと社会】ピエロだった小保方氏 社会の「医者」になれなかったメディア

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【メディアと社会】
ピエロだった小保方氏 社会の「医者」になれなかったメディア

STAP細胞の再現実験について発表する(左から)理研の坪井裕理事、相澤慎一チームリーダー、丹羽仁史副チームリーダー、清成寛研究員=2014年12月19日、東京都港区(大西正純撮影)

 だが、これは論文の実験手法などの内容が真実ではなかったということにすぎず、幹細胞になんらかの刺激を与えると万能細胞に変化するという可能性が否定されたわけではない。京都大学の山中伸弥教授らにしても「成熟細胞が初期化され、多能性をもつことの発見」によりノーベル生理学・医学賞を授与されたわけで、不眠不休に近い実験の繰り返しのなかで、偶然起きた現象がそれであった。

 基本は「腸管出血性大腸菌O157」がそうであるように、なんらかの刺激に反応してある種の「突然変異」が起きることがあるという、それこそ「偶然」である。ペニシリンの発見も努力の中での偶然の奇跡といえるものであった。

 メディア側にも問題がある。今年1月のSTAP細胞論文の発表時の報道は、理研から事前説明を受け、予定原稿を準備、その上で形式的な記者会見が行われ、翌朝一斉に大報道した。つまり、テレビも新聞も提供された情報の真偽を判定できずに、そのまま垂れ流しで報道していたことになる。その後、論文に疑義が出されると、今度は疑惑報道に狂奔し、理研の実験で再現不可が発表されると、それについても大ニュースとして報道した。

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