産経ニュース

【産経抄】灰色監督 12月18日

ニュース コラム

記事詳細

更新

【産経抄】
灰色監督 12月18日

 大相撲が八百長問題で揺れていたころ、スティーブン・レビット米シカゴ大教授が別の作家とともに書いた『ヤバい経済学』(東洋経済新報社)が話題になっていた。分析の対象となったのは、平成元年の初場所から12年の初場所までの幕内と十両の取組である。

 ▼千秋楽を7勝7敗で迎えた力士の、8勝6敗の力士に対する勝率は、7割9分6厘だった。「一番理屈に合う説明は、力士たちの間で取引が成立している、というものだ」。レビット教授は、他のデータも示して八百長の存在をほのめかす。

 ▼2011年のサッカー・スペイン1部リーグ最終節、サラゴサはこの試合に勝てば残留、負ければ降格という大一番を迎えていた。相手のレバンテは、すでに残留を決めている。大相撲にたとえれば、勝ち越しがかかっているだけでなく、負ければ幕内から十両陥落という場面だろうか。試合は、サラゴサが2-1で勝利を収め、降格を免れた。

 ▼スペインの検察当局は、八百長試合の疑いがあるとして、関係者の告発に踏み切った。このなかに、当時サラゴサの指揮官を務めていた、サッカー日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)が含まれているというのだ。

 ▼本人は疑惑を強く否定している。年明けに開催されるアジア・カップに向けた会見でも、強い意欲を示していた。ただ、裁判所から出頭を要請されれば、現場からの離脱を余儀なくされる。「灰色監督」のイメージが、チームの士気を低下させる恐れもある。

 ▼日本サッカー協会としては、前代未聞の事態に、頭を抱えてばかりもいられない。後任監督選びを含めた対応策作りを急ぐ段階にきている。4年後のW杯本番に悪い影響が及ぶことだけは、避けなければならない。

「ニュース」のランキング