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【新聞に喝!】尖閣報道で抜け落ちた視点 ノンフィクション作家・門田隆将

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【新聞に喝!】
尖閣報道で抜け落ちた視点 ノンフィクション作家・門田隆将

 1971年、尖閣の主権は、ニクソン政権下の公聴会で「どの国の主張にも与(くみ)しない」とされた。しかし2010年、中国漁船衝突事件の際、クリントン国務長官が第5条を「尖閣にも適用される」と明言し、一昨年、米上下両院が尖閣は第5条の「適用対象である」と明記した国防権限法案を可決した。中国がこれに「断固反対する」と発表したことは記憶に新しい。

 つまり中国は尖閣の領有権について、アメリカをニクソン時代まで押し戻し、さらに第5条の「適用外」まで持っていかなければならない。延々と続くアメリカでの中国のロビー活動は、そのためにあると言ってもいい。その第一歩が「異なる見解」の存在を日本に認めさせることではなかったのか。私はそのことが知りたかった。

 一方、日本は一体何のために、そこまで首脳会談にこだわったのか。残念ながら、その問いに応えてくれる新聞報道はなかった。

                   

【プロフィル】門田隆将

 かどた・りゅうしょう 昭和33年、高知県生まれ。中央大法卒。週刊新潮を経てノンフィクション作家に。新刊は『「吉田調書」を読み解く』。

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