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【外信コラム】マーライオンの目 「日本の技」台風に負けない屋根

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【外信コラム】
マーライオンの目 「日本の技」台風に負けない屋根

 台風で多くの犠牲者を出したフィリピン中部のレイテ島で、山梨県からきた2人の職人が「どんな台風にも飛ばされない屋根」の作り方を現地の若者に指導している。台風上陸から1年の節目に、日本の国際協力機構(JICA)が始めた支援の現場を訪ねた。

 中心都市タクロバンから車で約1時間のドゥラグ地区。台風で全半壊した高校は復旧途中だ。強い日差しの中、臼井克也さん(42)が溶接技術を指導していた。「正確な寸法のとり方、状況に応じた施工の知恵を学んでほしい」という。

 1年前の台風の際、この高校では、生徒たちは完成して間もない建物に避難。だが、唯一屋根が残ったのは、20年以上前に日本が建設した校舎のみだった。全員がその建物に逃げ込んで台風が過ぎ去るのを待った。

 臼井さんの仕事仲間で、共に指導にあたる日本在住32年のフィリピン人男性、ノエル・ワタナベさん(51)は、「基本に従った設計と施工なら、どんな台風でも飛ばない屋根が現地の材料でもできる」と強調。日本仕込みの“職人精神”をたたき込むと意気込む。

 現地の現場監督は「資材の強度確認や下準備など、日本のやり方は時間がかかる。だが、避難施設にもなる学校はそれで強くなる」と語っていた。指導は2カ月間続く。(吉村英輝)

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