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【産経抄】尖閣沖の露骨な挑発 11月8日

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【産経抄】
尖閣沖の露骨な挑発 11月8日

 今から36年前の昭和53年春、尖閣諸島沖の日本領海に200隻を超える中国漁船が殺到した。時あたかも日中平和友好条約をめぐる交渉がヤマ場にさしかかったころだった。世論は沸騰し、北京駐在の外交官たちは中国の真意を探ろうとするが、一向に要領を得ない。

 ▼数日後、漁船は一隻残らず尖閣沖から姿を消した。中国側は「漁船が魚を追っているうちに潮に流された」と涼しい顔で説明しただけ。むろん、誰もそんな話は信用しなかったが。

 ▼当時、平和友好条約締結に奔走し、親中派といわれた中江要介元中国大使でさえ、「偶然、何百隻が一緒になってそんなところへ行くわけがない」と断じている。結局、中国の意図は分からずじまいだったそうだが、「やはり(中央の)どこかの機関が指令を出していたのでは」と推測している(「日中外交の証言」から)。

 ▼小笠原諸島や伊豆諸島周辺に忽然(こつぜん)と現れたサンゴ密漁の漁船団は、台風が去った後、再び集結しつつある。200隻を超す規模といい、日中首脳会談の実現をめぐって両国が虚々実々の駆け引きを展開しているさなかのタイミングといい、36年前の“事件”をほうふつとさせる。

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