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【産経抄】大隕石と大地震と大噴火 10月24日

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【産経抄】
大隕石と大地震と大噴火 10月24日

 地球の王者だった恐竜を絶滅に追い込んだのは、約6500万年前メキシコ・ユカタン半島に落ちた、大隕石(いんせき)だといわれている。今年3月に千葉工業大などが発表した新説によると、衝突で発生した酸性雨が海中のプランクトンを死滅させたのが原因だった。

 ▼もっとも日本人にとって、約1億年に1度の頻度で地球にやってくる大隕石より、大地震と火山の大噴火が脅威であることはいうまでもない。日本列島は、千年に1度の巨大地震を経験したばかりである。

 ▼追い打ちをかけるように、今後100年以内に1%の確率で、日本に壊滅的な被害をもたらす巨大噴火が発生する。こんな予測を、神戸大の教授らが発表した。噴火によって直径2キロ以上の巨大なくぼ地(カルデラ)が形成され、火山灰などの噴出物は、東京ドーム約8千杯分にも達する。

 ▼その結果、日本の総人口に匹敵する約1億2千万人が死亡するという、衝撃的な内容である。もっとも巨大噴火の予測研究は手付かずの状態で、あくまで統計学的な予測というから、むやみに恐れる必要はあるまい。

 ▼昭和48年に出て空前のベストセラーになった『日本沈没』は、日本列島の沈没を圧倒的な迫力で描いていた。しかし、作者の小松左京さんの本当の狙いは、脱出した約7千万人の日本人の、その後の運命をたどることにあった。

 ▼小松さんは、7300年前に噴火した鹿児島県南方沖の鬼界カルデラの火山灰に覆われた、縄文遺跡を訪れたことがある。生き残った縄文人が新しい営みを再開する様子を想像しながら述べている。天災地変は日本人に、「その破壊力を超えていく、勇気を奮い立たせてくれるものでもある」と。学者の統計学的予測より、大作家の直感を信じたい。

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