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【ニッポンの分岐点】サッカー(4)地域密着 Jが日本スポーツ界変えた

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【ニッポンの分岐点】
サッカー(4)地域密着 Jが日本スポーツ界変えた

 “サッカー不毛の地”と呼ばれた長野市に、長野県北東部のシンボル的存在となることを目標に奮闘しているJリーグのクラブがある。3部リーグにあたるJ3で来季のJ2昇格を目指しているAC長野パルセイロ。チーム名は、ポルトガル語で「パートナー」を意味するという。「クラブは地域住民に親しまれ、クラブは逆に地域住民に話題や触れ合いの場を提供する。本当の意味で街のクラブへと育てたい」。そう話すパルセイロのスポーツディレクター、足達勇輔(52)の夢は、Jリーグが創設直後に掲げた「百年構想」が描く未来像でもある。

最優先は成績より地域

 百年構想は、「地域に根差したスポーツクラブ」を核としたスポーツ文化の振興活動という理念だ。

 パルセイロにとって、最優先はトップチームの成績ではなく、クラブが地域に根付くことだ。ドイツに留学経験のある足達は、同国型のクラブに理想像を重ね合わせる。

 「クラブに住民が集まって親が子供のプレーを楽しみ、子供も親のプレーを楽しむ。種目はサッカーだけではなく季節によっても変わり、カフェのような場で住民がコミュニケーションを取っている」

 平塚(現J2湘南)やC大阪で長く若年層の指導にあたってきた足達は、長野でも育成に重点を置く。カギとなるのは地域との共生だ。「既存組織はパルセイロの看板を使って選手を集めやすくなり、指導者もうちで講習を受けることで質が上がる。その中で力をつけた選手を獲得できれば、クラブにもプラスになる」

 C大阪でも同様の手法を取り、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で日本代表に名を連ねた柿谷曜一朗(よういちろう)(24)=バーゼル=や、山口蛍(24)=C大阪=らが育った。

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