産経ニュース

【スポーツ茶論】50年前の遺産受け継ぐために

ニュース コラム

記事詳細

更新

【スポーツ茶論】
50年前の遺産受け継ぐために

 甘んじて、不勉強の謗(そし)りを受けるしかなかった。

 この10日に1964年東京五輪から50年の節目を迎える。“五輪オタク”を自任する知人と、当時の話で盛り上がったとき、日本選手団団長が誰だったか、という質問に頭を抱えた。

 「分からない。小学生だったので、選手団長まで関心はおよばないさ」

 「そりゃそうだけど、五輪関係の取材をしてきたんだろ。答えは大島鎌吉さんだよ、三段跳びの」

 名前を聞いても、正直、ピンとこなかった。32年ロサンゼルス五輪の男子三段跳びで金メダルを期待されながら、選手村の風呂の爆発事故に巻き込まれて大やけどを負い、3位に終わった不運な選手くらいしか、インプットされていない。

 確認のため資料室に駆け込むと、64年7月3日付の新聞各紙に「選手団長に大島氏」の大見出しが打たれていた。

 「金メダル15個は確実に獲得できる」

 海外のスポーツ関係の本を原書で読みこなす理論派にしては大胆で強気な抱負である。4年前のローマ五輪の金は4個(すべて体操)にすぎない。地元の利があるものの可能なのかという周囲の懸念をよそに、金16、銀5、銅8のメダルを獲得して公約を果たす。

 「団長は現場監督みたいなものさ。現場にいて陣頭指揮するに限る」

                 □  □ 

「ニュース」のランキング