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【産経抄】テレサの歌った香港 10月2日

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【産経抄】
テレサの歌った香港 10月2日

 香港と民主化運動といえば、「アジアの歌姫」と呼ばれた台湾出身の人気歌手、テレサ・テンを思い出す。活動拠点としてきた香港で1989年5月、中国の民主化を支援する野外コンサートが行われた。

 ▼彼女は「民主萬歳」と書かれたハチマキ姿でステージに立ち、大きな話題になったものだ。天安門事件が起きたのは、それからわずか8日後だった。事件からまもなくして、香港からの中継で日本の音楽番組に出演したテレサは、黒いチャイナドレスで歌った。武力で弾圧され、犠牲となった多くの若者たちの、喪に服したといわれている。

 ▼「香港は自由で民主的。終わりにするのはもったいない。でもいま中国から共産党パワーがすごく入ってきている。言いたいことが言えない」。その後来日したとき、夕刊フジの取材に答えている。香港が英国から中国へ返還された後、果たして自由と民主主義が維持されるのか、深く憂慮していたようだ。

 ▼事態は、その通りに動いている。3年後に予定されている香港行政長官選挙について、中国政府が打ち出した制度は、民主派を事実上排除する、名ばかりの「普通選挙」だった。学生らが抗議の声を上げるのは当然である。

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