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【主張】健保組合赤字 制度破綻では本末転倒だ

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【主張】
健保組合赤字 制度破綻では本末転倒だ

 大企業のサラリーマンらが加入する健康保険組合の財政が悪化している。健康保険組合連合会(健保連)が発表した昨年度の決算見込みによれば、1419組合の3分の2が赤字だ。

 景気回復や保険料アップで収入は伸びたものの高齢者医療への拠出額が増えたのが響いた。

 健保組合に限らず、公的医療保険はどこも財政が厳しい。安易な税支援も望めない。国民皆保険制度の維持には、支払い能力のある人が負担をするしかない。

 とはいえ、高齢者の医療費は今後も増え続ける。過度の負担を強いられ、健保組合が制度として成り立たなくなったのでは、本末転倒だと言わざるを得ない。

 すでに解散に追い込まれた組合も少なくない。政府はこうした現状から目を背けず、やる気と能力のある企業が健保組合を持ち続けられる展望を示してほしい。

 厚生労働省では、健保組合の高齢者医療への拠出をさらに増やし、国民健康保険(国保)の財政立て直し財源を捻出する案を検討している。

 仕組みが違うため単純比較はできないが、会社の負担がある健保組合の個人の保険料負担率は、国保に比べて半分程度のため、「恵まれている」との指摘もある。

 より懐具合が厳しい国保の援助にはやむを得ない面もあるが、健保組合からは「国の財政責任の転嫁だ」との批判が出ている。「高齢者医療への拠出がどこまで増えるのか分からない」との不安の声も強い。もっともな指摘だといえよう。

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