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【主張】
南沙埋め立て 中国の暴挙を放置するな
中国やフィリピンなどが領有を争う南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で中国が複数の岩礁を埋め立て、人工島にして軍事拠点とする工事を進めている。
力を背景とするこのような動きは、地域の平和と安定を損なう暴挙であり、容認できない。中国は直ちに中止しなければならない。
フィリピンは中国に対し、南沙問題の平和的解決をうたった「南シナ海行動宣言」違反であると抗議した。世界はこの問題にもっと危機意識を持つべきだ。特にフィリピンと軍事協定を結んだ米国や巡視船供与を約束した日本は関係国と連携し、国際会議などで中国に中止を求めていくべきだ。
ジョンソン南礁は、中国が運んだ大量の砂で周囲の浅瀬が埋め立てられ、ヘリコプターの離着陸が可能になった。今年2月には存在しなかった護岸や桟橋、建物も造られた。満潮時はすべてが海面下に没する岩礁であれば、いくら埋め立てても国際法上、領海や排他的経済水域(EEZ)の根拠となる島とは認められない。
ベトナム側からはジョンソン南礁は島ではないとの指摘が出ているが、中国は南沙、南シナ海支配の軍事拠点として、島だと主張したいのだろう。同様の工事を複数の岩礁でも進めている。
中国が支配するミスチーフ礁では機関銃が設置されている。フィリピンは、ジョンソン南礁などに軍用滑走路やレーダー施設ができることを強く懸念している。