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【正論】「8・15」に思う 「歴史戦」必勝を英霊の前に誓う

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【正論】
「8・15」に思う 「歴史戦」必勝を英霊の前に誓う

 □文芸批評家、都留文科大学教授・新保祐司

 5月30日に月刊誌、中央公論元編集長の粕谷一希氏が84歳で亡くなった。氏は名編集者として知られているが、また、評論家として戦後日本に対する明晰(めいせき)な批評を遺(のこ)した人でもあった。戦前からの良質な教養を受け継いだ真の知性であったといえるであろう。

 ≪「醤油組」糾弾した粕谷氏≫

 氏の著作のうち主要なものを3巻にまとめた『粕谷一希随想集』が今、刊行されている。その編集に協力者として参加した私は、氏の評論のほとんどを改めて読み直してみて、戦後日本の諸問題に対する鋭利な指摘から得るものが多かった。その中でも特に深く心に突き刺さったのは、「醤油(しょうゆ)組の天下」という寸鉄人を刺す鋭さを持った言葉であった。この寸鉄は、確かに「戦後」という時代にとどめを刺す力はある。

 昭和53年の「鶴見俊輔氏への手紙」の中に、「私たち多少下の世代から眺めていますと、戦後の論理には、“醤油を飲んで徴兵を逃れた”、いってみれば醤油組の天下といった風潮がありました。『きけわだつみの声』の編集方針も、意識的に反戦学生の声だけが集められました。愚劣な戦争に駆り出されて、無駄な死を強制された。だから、二度とこうした戦争を起させてはならない。もう『僕らは御免だ』、ドイツの戦没学生の手記も訳されて、戦後の反戦感情・反戦運動は盛り上げられてゆきました。それは半面では正当に思われました。けれども微妙なところで、何かエゴイズムの正当化といった作為的な思考のスリカエがあるように思われて、当時から私にはなじめなかったことを記憶しています」と書かれている。

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