産経ニュース

【主張】野党再編 数合わせより鮮明な旗を

ニュース コラム

記事詳細

更新

【主張】
野党再編 数合わせより鮮明な旗を

 日本維新の会の分裂を契機に、野党間で新たな連携を模索する動きが活発化している。

 自民党の「1強多弱」に対抗し、政策本位の新たな受け皿に発展するものなら期待できるが、数合わせを先行させた再編の主導権争いという印象も色濃い。

 維新に先立ち、民主党が与党の間に分裂したのも、政党の命である「政策の一致」をおろそかにしたためだった。幅広い支持を得て安定的な勢力となるには、矛盾を払拭し、旗幟(きし)鮮明に目指す道筋を示す必要がある。

 形だけの新党でブームを起こし、来年の統一地方選に臨む。その程度の再編なら願い下げだ。

 維新は「解党大会」を経て、共同代表を務めた橋下徹氏系と石原慎太郎氏系の2つに分党する。みんなの党に続き、新たな「第三極」がさらに細分化している。新たな固まりを作って大きくしたいというのは理解できる。

 気になるのは、橋下氏が目指す新党がどういう路線を志向するかだ。維新が結成当初から強調してきた「野党であっても、必要な政策の実現には協力する」姿勢は「決める政治」に資する。自民党とともに憲法改正勢力を構築しようとした点は、保守再編の可能性も秘めた潮流にもみえた。

 だが、橋下氏が結いの党との合体や、その先の民主党との合流を見すえているなら、当初の路線を変更するのだろうか。法案への賛否でも、従来より「野党連携」に重きをおくことにならないか。

 石原氏は分裂の理由に、憲法改正や集団的自衛権の行使容認をめぐる姿勢の違いを挙げた。指摘は早くも現実化している。

 橋下氏系維新と結いとの政策合意では、集団的自衛権について行使容認の具体的な方向性は出さずに「検討」にとどめている。憲法では「憲法改正による『統治機構改革』」を入れた。だが、結いはそもそも、憲法改正を優先課題とは位置付けていなかった。

 再編の動きは、野党第一党である民主党の力不足の裏返しだ。海江田万里代表が「数合わせで大きくなればいいとは思わない」と述べる一方、結いの江田憲司代表らとも接触するのは、「海江田降ろし」をかわすねらいだろうか。

 代表選を前倒しし、海江田氏も出たらよい。徹底的に論争し、安全保障など主要政策の方向性に決着をつけるのも一案だろう。

「ニュース」のランキング