自然災害と経済 復旧支える機動的対応を

主張

 災害は経済を直撃し、被災者の生活の立て直しにも、多大な影響を及ぼす。電力や空港、道路などインフラの復旧を急ぐことはもちろん、地域経済の被害を的確に把握し強力な政策支援を講じる必要がある。

 相次ぐ自然災害はまた被災地のみならず、国内経済全体にも影響を及ぼす。被災者や国民の不安を高めることがないよう、安倍晋三政権は復旧に向けた強いメッセージを打ち出すべきである。

 北海道を襲った最大震度7の激震と大規模停電により、道内全域で小売店などの営業停止や企業の生産休止が相次いだ。農畜産業や水産業の経営にとっても深刻な事態である。

 ジャガイモなどの収穫期を直撃した停電は、野菜の出荷作業を滞らせよう。乳製品の生産にも電力が欠かせない。水産物の冷凍・冷蔵設備が動かなければ、せっかくの水揚げも台無しである。

 全国への食料供給基地である北海道の被災で食料品の供給不足や価格高騰が生じれば、被災地以外の家計消費にも響きかねない。

 深刻さにおいては関西も同様である。台風21号により、関西国際空港が冠水し、連絡橋の破損により人と物の流れが寸断された。

 すでに関西のホテルではキャンセルが相次いでいるという。訪日外国人の観光や消費に冷や水を浴びせないか。景気への悪影響を懸念せざるを得ない。

 関空からの昨年の輸出額は5兆6千億円を超えた。この機能が損なわれたままでは生産活動に支障を来す。企業には関空が全面復旧するまでの間、代替輸出拠点の確保などで生産網を維持する取り組みに全力を挙げてもらいたい。

 被災地経済の混乱をできるだけ早期に解消し、復旧を後押しするためにも、国が果たすべき役割は大きい。

 政府系金融機関を通じた中小・零細企業の資金繰り支援など、効果的かつ重層的な対応策を実施することが重要である。

 復旧に必要な予算を円滑に執行できるよう、補正予算の編成にも機動的に対応すべきである。今年度予算の予備費3500億円のうち約半分は西日本豪雨の被災地復旧に使われる。

 予備費に不足が生じるなら補正で手当てする必要がある。緊急性の高い支援策を遅滞なく進めてもらいたい。