【主張】北海道を救え 二次被害と関連死防止を - 産経ニュース

【主張】北海道を救え 二次被害と関連死防止を

 あらゆる災害で最優先に守らなければならないのは人命である。
 北海道の胆振(いぶり)東部で6日未明に起きたマグニチュード(M)6・7の地震で、震度7の激しい揺れが観測された厚真(あつま)町では民家を巻き込む大規模な土砂災害が発生し、安否不明者の捜索・救助活動が続けられている。
 自衛隊、警察、消防は緊密に連携し、不明者の捜索、救助に全力を尽くしてもらいたい。
 胆振東部では活発な余震が続いている。2年前の熊本地震ではM6・5の地震発生から28時間後にM7・3の地震が起きた。北海道でも震度6強~7の強い余震を警戒する必要がある。
 天候も心配だ。前線の影響で被災地周辺はこの数日間は不安定な天気が続き、まとまった雨が降る可能性がある。地震活動とその前の台風21号に伴う降雨で、現場周辺は土砂崩れのリスクが極めて高い状況にあると考えられる。
 二次災害による犠牲者を出してはならない。厳重な警戒のもとで不明者の捜索や復旧活動にあたるとともに、避難住民らの安全確保に万全を期してほしい。
 道内全域に及んだ大停電(ブラックアウト)は解消に向かってはいるものの完全復旧までには時間がかかる見込みだ。電気をはじめ水道、ガスなどのライフラインは文字通り、住民の命をつなぐインフラである。
 停電の影響で、外来や救急搬送の受け入れを一時停止した医療機関も多くあった。電力供給の部分復旧で受け入れを再開した病院が増えているが、完全復旧までの間は限られた電力のなかで、命を守る医療機能を最大化することが重要な課題となる。
 経済産業省と北海道電力は、電力供給が再開した地域の住民に節電への協力を呼びかけている。住民の協力を医療機能の回復につなげたい。
 二次災害と医療機能の低下のほかにも命を脅かす要因はある。
 避難生活に伴う過労やストレス、余震を警戒して車中泊をした住民がエコノミークラス症候群で命を落とすケースもある。
 今回の地震では、揺れの被害が大きかった地域以外も、停電や断水、交通機関の途絶で被災状況に陥った。被災地と大都市に目は向けられがちだが、広大な北海道で支援から取り残される地域がないように目を配りたい。