【阿比留瑠比の極言御免】知見がない立憲民主党 - 産経ニュース

【阿比留瑠比の極言御免】知見がない立憲民主党

定例会見に臨む立憲民主党・枝野幸男代表=9月3日午後、国会内(春名中撮影)
定例会見に臨む立憲民主党・枝野幸男代表=9月3日午後、国会内(春名中撮影)
 局長級幹部が逮捕・起訴された文部科学省の一連の汚職事件に絡み、「霞が関ブローカー」と呼ばれた渦中の元コンサルタント会社役員との交際を認めた立憲民主党の吉田統彦(つねひこ)衆院議員について、同党が奇妙な沈黙を続けている。例えば9月3日の枝野幸男代表の記者会見では、こんなむなしいやりとりがあった。
 記者「吉田さんのことは耳にしているか」
 枝野氏「お答えするような知見は持っていない」
 記者「社会部、司法記者会が動いている。それでも何もやらないのか」
 枝野氏「コメントできる知見は持っていない」
 記者「党所属議員についてのことだが」
 枝野氏「知見がないので知見がないと言っている。知見があるないは、どういう立場だろうが関係ない」
 記者「政党の代表としての責務として聞きたい」
 枝野氏「それにお答えする知見がない」
 手元の辞書を引くと「知見」とは、「見て知ること。またその結果得られる知識。見識」とある。言葉遊びのように「知見」と唱え続けた枝野氏は、マスコミがこの件を取り上げようとどうしようと、見て知ることを放棄し、耳をふさいでいるのだろう。
 この問題をめぐっては、福山哲郎幹事長も8月21日の記者会見で問われ、同様にはぐらかしている。
 「大手のメディア、報道機関に実名が挙がってもいない状況で、出所不明のいろいろなところに、私が質問に答えるのは適切ではない」
 立憲民主党は安倍晋三政権に対しては「モリ・カケ」問題などであることないこと厳しく追及し、明確な根拠も示さずに相手を嘘つき呼ばわりまでして非難してきた。
 首相には、やっていないことを証明する「悪魔の証明」を求め、記憶にないことは思い出せと迫り、すべてを把握していないはずはないと決めつけていた。
 それが、自党のことになると、きちんと説明するどころか「知らない」「答えられない」で逃げる。他人に厳しく自分に甘い傲慢な体質は、旧民主党時代から変わっていない。
 あきれながらそう思っていたところ、党最高顧問の菅直人元首相が今月1日の自身のブログに、こんなタイトルを付けていたので驚いた。
 「立憲民主党が傲慢に見えるのは誤解です」
 中身を読むと「元の仲間の属する政党との合流協議に参加しないのは-」と説明する内容であり、日頃の姿勢や態度に関する釈明ではなかった。ただ、菅氏ですら、自分たちが傲慢だとみられていることに気付いていることは伝わった。
 また、ブログにはこうも記されていた。
 「立憲民主党が政権を目指す政党になれるかどうかはより立憲民主党を生み出した多くの草の根の国民の支持が拡大できるかどうかにかかっている」
 分かりにくい文章だが、政権党を目指し、支持拡大を図りたいということは理解できる。ただ現実はというと、読売新聞の直近の世論調査では、立憲民主党の支持率は4%と低迷し、自民党(40%)の10分の1にとどまっている。
 枝野氏はおそらく、有権者の期待や関心事、動向にも知見がないので、ついつい傲慢に振る舞ってしまうのだろう。せめて記者会見での木で鼻をくくったような態度は改め、もう少し知見を広げる努力をしないと、これ以上、支持が集まるとは考えにくい。(論説委員兼政治部編集委員)