【主張】北海道地震と停電 「完全復旧」に総力挙げよ - 産経ニュース

【主張】北海道地震と停電 「完全復旧」に総力挙げよ

 北海道で最大震度7の地震があった。震源に近い厚真(あつま)町では民家と住民を巻き込む大規模な土砂崩れが発生した。
 さらに、同町にある北海道電力の苫東(とまとう)厚真火力発電所の緊急停止が引き金となって、道内全域の295万戸への電力供給が止まった。「ブラックアウト」とも呼ばれる大停電である。
 人命救助、被災者らの安全確保とともに、全道民約530万人の生命線である電力の早期復旧に総力を挙げなければならない。
 世耕弘成経済産業相は6日午前、北海道の大停電は「完全復旧に、少なくとも1週間以上かかる」との見通しを示した。
 苫東厚真火力発電所の1、2、4号機はタービンからの出火とボイラーの損傷で、復旧に1週間以上を要する。3基の合計出力は165万キロワットで、地震前日のピーク時の需要の4割強に相当する。
 一部の地域は6日午後に停電が解消された。しかし、他の火力、水力発電所をフル稼働し本州から送電を受けても、7日から供給できるのは290万キロワットにとどまるという。
 電気は現代社会に光と熱と情報を供給する最も重要なインフラである。病気や障害がある人、高齢者や乳幼児にとっては、停電は命にかかわる。救命活動や安否確認の重大な支障にもなる。
 命を守ることを最優先に、当面は限られた電力で、住民の不安と不便を緩和する必要がある。電源車の派遣をはじめ可能な限りの支援をしたい。
 国、道、北海道電力と全国の電力会社は総力を結集して、完全復旧を早めてもらいたい。
 ブラックアウトは、電力の需給バランスが崩れ、1つの発電所の停止がドミノ倒しのように連鎖して広域大停電に至る。電力会社が最も恐れる事態である。
 東日本大震災の直後には、東京電力はブラックアウトを回避するために計画停電を実施した。
 福島第1原発事故の後、国内の原発は運転を停止し、再稼働の進捗(しんちょく)は遅い。北海道電力の泊原発も停止中だ。
 ベースロード電源である原発にブラックアウトのリスクを小さくする役割があることを、再認識すべきである。大停電が回避できたとはかぎらないが、泊原発が稼働していた方が危険度は低く、復旧の主力になったはずだ。