9月6日

産経抄

 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手は4日、レンジャーズ戦で、16号ソロホームランを放った。この日の大谷選手は「2番・指名打者」で出場していた。

 ▼強打者の打順が3番や4番でなくても、今や誰も驚かない。以前のコラムで書いたように、「セイバーメトリクス」と呼ばれる新たなデータ分析手法が、選手の評価や戦術を変えつつある。

 ▼東京医科大の不正入試をきっかけに、文部科学省が行った緊急調査の結果が出た。医学部医学科のある81の大学の過去6年の入試を調べると、8割近くの大学で、女性の合格率が男性より低かった。こちらの新たなデータも分析が進めば、医療の世界の変革につながるかもしれない。

 ▼女性の合格者数を得点操作で抑えていた東京医大より、男女合格率の格差が大きかった大学も13校あった。今のところ、不正の報告はない。ただ、医学科以外の学部、学科の入学率では、男女同程度かむしろ女性の方が高いこともわかっている。「男性優位」は、東京医大だけではない。女子受験生の疑念は深まったはずだ。

 ▼実は女性医師にかかった方が長生きする、とのデータがある。内科系の病気で入院した米国の65歳以上の患者約130万人について、担当医の性別で比べた調査でわかった。死亡率も再入院率も、女性医師の患者の方が低かった。カリフォルニア大ロサンゼルス校の津川友介さんらが一昨年論文を発表すると、大きな反響を呼んだ。

 ▼米国でも医師の世界は男性社会とされてきたからだ。その米国より女性医師の割合が小さい日本で、同様の大規模な調査が行われたらどんな結果が出るか、楽しみである。女性医師の診察の質の高さが証明されれば、男性優位の風潮は是正されるだろうか。