【主張】アジア大会 成果と反省を東京の糧に - 産経ニュース

【主張】アジア大会 成果と反省を東京の糧に

 ジャカルタで開催されたアジア大会で日本選手団が躍動した。獲得した75個の金メダルは、前回の仁川(韓国)大会の47個を大きく上回る。この勢いを、2年後の東京五輪につなげてほしい。
 躍進の象徴的な存在は6冠に輝いて大会最優秀選手(MVP)を受賞した池江璃花子であり、選手団を牽引(けんいん)したのは金メダル19個の競泳陣である。五輪でも大会序盤の活躍で興奮させてほしい。
 アジア各国の競技力向上はめざましく、陸上男子100メートルでは山県亮太が10秒00の好記録で走りながら、銅メダルに終わった。
 そうしたレベルの高い好敵手ぞろいの中でも、五輪や世界陸上で実績のある400メートルリレーでは他を圧倒した。すでにお家芸の貫禄であり、五輪では、さらなる高みを目指してほしい。
 五輪に向けた強化策が結実した競技もある。リオデジャネイロ五輪後に外国人監督を招いて男女とも初優勝を果たしたホッケーがその代表例だろう。
 東京五輪の追加競技でも空手やソフトボール、スポーツクライミング、スケートボードで9個の金メダルを獲得した。
 五輪でも活躍が期待される日本の得意種目の多くは、アジアにライバルを抱えている。大会の好成績は、五輪の前哨戦として、その意味は大きい。
 一方で、男子バスケットボールの選手4人が現地での買春行為で途中帰国する、破廉恥な不祥事もあった。協会幹部のパワーハラスメントや専横に揺れたレスリング女子やボクシング、体操女子も、結果を残すことができなかった。こうした団体では、組織や強化態勢の立て直しが急務である。
 高温多湿のジャカルタで行われた大会で、各競技団体はさまざまな暑さ対策を試した。これらも貴重な経験となったはずである。
 大会を盛り上げたのは、31個の金メダルを獲得した地元インドネシアの奮闘である。開催国の成績は、大会の成否を分かつ大きな要因となる。日本オリンピック委員会(JOC)は東京五輪で、金メダル数で世界3位、30個という極めて高い目標を掲げている。
 実現への道は険しいが、残る2年の歳月をどう効果的に使うか、アジア大会の成果と反省を十分に生かしてほしい。1964年東京五輪も、2年前のジャカルタ・アジア大会を糧としたように。