【主張】携帯料金値下げ 利益還元は待ったなしだ - 産経ニュース

【主張】携帯料金値下げ 利益還元は待ったなしだ

 携帯電話の料金をめぐって、政府から引き下げを求める動きが強まっている。菅義偉官房長官が「4割程度下げる余地がある」と発言したのに続き、総務省も競争促進に向けた検討を始めた。
 通信事業で各1兆円規模の利益を出すNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクグループの大手3社に対し、菅氏が「国民の財産である公共の電波を利用して過度な利益をあげるべきではない」と提起したのは当然だ。利益還元は待ったなしである。
 スマートフォンによる動画視聴などが広がり、通信量が伸びている事情はあるものの、「携帯料金は高すぎる」というのは利用者の実感だろう。家計消費に占める携帯料金は、昨年初めて1世帯当たり年間10万円を超えた。
 携帯市場は大手3社による寡占状態にあり、競争が働きにくい環境にある。政府は新規参入を含め通信事業者の競争を促し、着実な料金の引き下げを図るべきだ。同時に事業者は利用者の目線に立ち、透明で分かりやすい料金体系も打ち出してほしい。
 菅氏は「日本の料金は経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の2倍程度だ」と指摘したうえで、取引慣行の見直しや中古携帯端末の流通促進などに取り組み、料金の引き下げにつなげる意向を示している。
 政府はこれまでも事業者に対して料金引き下げを求めてきたが、抜本的な値下げは実現していない。市場の9割超を占める大手3社の料金は横並びの水準にあり、新規参入による競争促進が欠かせない。来年秋の参入を予定している楽天の事業環境を整備し、健全な競争を促す必要がある。
 取引慣行の見直しも急務だ。携帯端末の継続利用を条件に料金を割り引く「2年縛り」「4年縛り」などの取引は、公正取引委員会が「他社への乗り換えを制限する恐れがある」と見直しを求めた。だが、事業者は、利用者が違約金を払わずに解約できる期間を1カ月延ばす程度にとどめた。
 端末代金を割り引いて高い通信料金で回収する料金体系は、是正が欠かせない。ソフトバンクも端末料金と通信料金を分離する新たな体系を発表したが、料金そのものの引き下げ不足は否めない。各社は抜本的な値下げに踏み込み、利用者の選択肢を広げる責務があると認識すべきだ。