ア大会不祥事 代表の緊張感はないのか

主張

 スポーツ界の不祥事が止まらない。

 今度はジャカルタで開催中のアジア大会で、バスケットボール男子代表の4選手が公式ウエアを着て深夜の歓楽街で買春行為に及んでいた。

 日本選手団は4人の代表認定を取り消し、選手村を退去させた。当然である。日の丸を身につけての恥知らずな行動に、代表選手としての誇りや緊張感は、全く感じられない。

 日本バスケットボール協会の三屋裕子会長は「思慮に欠ける行動に言い訳の余地はない。私たちの管理監督責任も痛感している」と述べた。選手教育の在り方を根本から見直すべきである。

 バスケットボール男子は9月にワールドカップ予選を控えているため、アジア大会には若手中心の編成で臨んでいるが、これは軽挙の理由にならない。

 一目で日本代表選手と分かる服装での破廉恥な行為が現地の人々にどう映るか。あまりの想像力の欠如に暗澹(あんたん)たる思いだ。

 全員が20歳代の4選手に対しては、Bリーグや所属クラブも厳罰に処すべきである。彼らが真にやり直すためにも、相当の処分が必要だ。違法賭博問題で受けた無期限の試合出場停止処分から復活し、ア大会でもエースとして活躍するバドミントン男子、桃田賢斗の好例もある。

 カヌーではライバル選手に禁止薬物を服用させる妨害行為があった。レスリングでは協会幹部のパワーハラスメント、ボクシングでは助成金の流用や反社会的勢力との交際などが明らかになった。

 いずれも五輪競技である。2年後に五輪を自国で開催する国のスポーツ界としてはお粗末に過ぎ、腹立たしくさえある。

 ジャカルタでのアジア大会は、1962年以来、2回目の開催である。初開催の前回も2年後に、東京五輪を控えていた。偶然の巡り合わせだろうが、56年前のアジア大会は東京五輪の前哨戦、テストケースとして、日本選手団は真剣な思いで臨んだ。

 台湾、イスラエルの参加問題をめぐって国際世論が紛糾する中、日本のスポーツ界は全競技参加を強行し、大会後に日本オリンピック委員会(JOC)会長兼東京五輪組織委員会会長の津島寿一氏が引責辞任した。

 今昔の悩みの種は、その質の差が大き過ぎやしないか。