【主張】サンマ漁解禁 中国の乱獲から資源守れ - 産経ニュース

【主張】サンマ漁解禁 中国の乱獲から資源守れ

 サンマ漁が始まった。中小型船に続き、20日からは100トン以上の大型船の漁が解禁される。
 「秋刀魚」と書くサンマは文字通り、秋の味覚の主役である。しかし、ここ数年の記録的な不漁で、品薄による価格高騰も手伝って食卓にのぼる機会も減っている。
 今年こそ豊漁を、と祈らずにはいられない。
 サンマの漁獲量が低迷している理由として、資源の減少に加えて、中国船や台湾船による日本の排他的経済水域(EEZ)手前の公海での先取り、乱獲が指摘されて久しい。
 夏から秋にかけて、サンマは産卵のため、太平洋の公海から日本近海に来遊する。
 中国や台湾は冷凍設備を搭載した大型船で停留し、これを待ち構えてさらってしまう。乱獲から貴重な資源を守らなければならない。小型船が多く、近海での漁が主体の日本にとって、公海上のルール策定は急務である。
 7月に開かれた北太平洋漁業委員会(NPFC)で、日本は公海での国・地域別漁獲枠の設定を提案した。しかし、中国とバヌアツの反対で合意に至らなかった。
 南太平洋に位置するバヌアツは多額の資金援助を受けている中国に同調したかたちだ。
 漁業に限らず、太平洋島嶼(とうしょ)国への影響力を強めている中国に対し、日本は本腰をいれた対策を講ずべきだ。
 島嶼国の重要産業である漁業への技術提供や人材育成での協力、日本の先端技術を駆使したゴミ対策など建設的な支援とともに、漁業資源管理の重要性について理解を広げたい。マグロやクジラなど今後の交渉でも効果が期待できるのではないか。
 今回、台湾は米国やロシア、韓国、カナダとともに日本案賛成にまわった。「資源の減少傾向は明らか」という理由からだ。
 中国は「海洋環境の変化が理由で、資源量は減っていない」と反対した。日本は、この漁期でのサンマの資源量をより明確に示し、来年の漁獲枠設定再提案の根拠としたい。
 7月の会合では、「小型魚の漁獲抑制」と「洋上投棄の禁止」が合意された。合意を基にすでに導入されている漁船衛星監視システムを強化できないか。
 有効な手立てに知恵をしぼる秋(とき)である。