【主張】新車の検査不正 業界の土壌改革徹底せよ - 産経ニュース

【主張】新車の検査不正 業界の土壌改革徹底せよ

 新車の検査をめぐる不正がまたも広がった。今度はスズキとマツダ、二輪車大手のヤマハ発動機の3社である。
 すでに、日産自動車とスバルでも検査データの不正な書き換えが判明している。法令順守に対する業界の意識が、決定的に欠如している。
 国土交通省は検査不正が続発する事態を厳しく受け止め、業界に対して実効性ある再発防止策を講じるよう、強く求めるべきである。
 3社は、新車の完成検査で、排ガスや燃費などの測定を不適切な方法で行っていた。
 特にスズキでは調査対象の半数で不正が発覚した。同社は2年前にも開発段階で規定外の燃費検査が発覚している。
 不正を根絶できないのは、企業統治に根本的な問題を抱えているからだろう。
 新車に対する信頼を損ねる深刻な事態であるはずだが、果たして業界はそう理解しているか。
 3社は完成車の出荷前検査で、規定に合わない方法で測定していた。本来は速度や走行時間を一定の範囲に収める決まりだが、これを逸脱しても再試験を行わず、有効な検査データとして記録していたという。
 各社とも検査方法に問題はあったがデータの書き換えや改竄(かいざん)はなく、実際の排ガスや燃費に影響はないとしてリコール(回収・無償修理)は行わない方針だ。そこに危機意識は感じられず、消費者の不安解消には至るまい。
 大量の不正が発覚したスズキは現場の検査員に不正の認識はなかったとし、マツダも意図的な不正ではなかったと釈明した。
 これでは言い訳にもならない。不正は、検査を現場任せにしてきた杜撰(ずさん)な社内体制が浮き彫りとなったものだ。
 経営者自らが率先して検査体制を抜本的に見直し、社内の意識改革を急務とすべきである。
 3社の不正は、日産などの検査不正を受けた国交省の調査要請で新たに発覚した。各社はそれ以前に自主的な調査をしていたが、不正を見逃していた。
 出荷前の完成検査が形骸化し、これをチェックする仕組みが機能しなかったことになる。これが1社の問題にとどまらないのは、業界の土壌が腐っているからだといわれても仕方あるまい。土壌改革には相当の覚悟を要する。