【北川信行のスポーツ茶論】WMG関西を知ってますか - 産経ニュース

【北川信行のスポーツ茶論】WMG関西を知ってますか

 2020年東京五輪が開幕2年前を迎えた7月24日、大阪は猛暑に見舞われていた。汗だくになりながら、大阪市北区の中之島センタービル23階にある「ワールドマスターズゲームズ(WMG)2021関西」の組織委員会にたどり着いた。
 WMGは、五輪やサッカーのワールドカップ(W杯)などと同じように4年に1度開かれる生涯スポーツの国際競技大会で、おおむね30歳以上のスポーツ愛好者であれば誰でも参加できる。
 アジア初開催となる次回大会は、21年5月14~30日の17日間、近畿2府4県に鳥取、岡山、徳島を加えた2府7県を舞台に32競技55種目が実施される。
 高さ129メートルの超高層オフィスビルには、WMG組織委のほかに、関西経済連合会や関西経済同友会、関西電力系の企業などが入居している。それが、このスポーツイベントの現在の“立ち位置”を如実に表している。
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 「WMG2021関西」では、陸上や水泳、柔道といった五輪・パラリンピックで行われる競技に加え、オリエンテーリングや綱引きなどが採用されているところが生涯スポーツの祭典らしい。
 17年にオークランド(ニュージーランド)で開かれた前回大会の参加者は約2万5千人だった。関西大会では、史上最多となる約5万人(国内約3万人、海外約2万人)の参加者を見込んでいるが…。
 「まだ認知度が低いのが悩みです。特に関東圏。大会を知っている人が少ない」。組織委の中塚則男事務局長が、関西の経済界に支えられている現状を分析した。
 目標を達成する上で欠かせないのが地元企業の協力だ。スポンサード以外にも、企業単位で社員のスポーツレクリエーションに力を入れることで、大会の参加者が一気に増える可能性が高まる。25年大阪万博の誘致成功をにらみ、大会をインバウンド(訪日外国人客)の増加に結びつけたいとの関西財界の思いもあるという。
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 スポーツ振興の面でも「WMG2021関西」が果たす役割は大きい。来年のラグビーW杯と20年の東京五輪・パラリンピックを観戦したり、ボランティアとして支えたりした人が、今度は自分も大きな舞台でスポーツをやってみたいと思う。その際の受け皿として期待されている。
 「見るスポーツ」「支えるスポーツ」から「するスポーツ」へ-。この流れは文部科学省が掲げる「スポーツ立国戦略」と合致する。19年ラグビーW杯と20年の五輪・パラリンピック、そしてWMGが掉尾(ちょうび)を飾る3年間は、スポーツ業界で「ゴールデン・スポーツ・イヤーズ」とも言われている。
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 五輪・パラリンピックとWMGを同一国で開催する流れは、東京→関西以降も続く可能性が高い。そう語る中塚事務局長は「東京五輪・パラリンピックや、来年に開かれるラグビーW杯の組織委員会とも協力し、イベントを開催するなどして多くの人に参加してもらえるようにしたい」と意気込んだ。
 大会が行われる5月はまだ暑さは厳しくなく、スポーツで体を動かすのにもってこいの季節だろう。東京五輪・パラリンピックで高まったスポーツ熱を生かす舞台は8月18日、開幕1000日前を迎える。