自民党総裁選 国民のため堂々の論戦を

主張

 自民党の石破茂元幹事長が記者会見し、9月の総裁選への立候補を表明した。3選を目指す安倍晋三首相(総裁)は、8月後半にも出馬会見する見通しだ。一騎打ちとなる公算が大きい。

 これからの日本の舵(かじ)取りを担う首相を決める総裁選が、6年ぶりに行われる。

 405人の国会議員と100万人超の党員が投票権を持つが、事実上の首相選挙であるだけに国民の関心も集まろう。

 そこで語られることは衆院選における政権公約に等しい。候補者は国民の前で堂々と政見を論じ合ってほしい。

 大半の派閥の支持を固めた安倍首相の優勢であっても、石破氏の出馬には意味がある。

 近年の国会を見れば、政権担当能力のない野党が離合集散を繰り返し、日本の政治の中で建設的な役割を果たせていない。

 厳しい内外情勢の下で、日本の独立と繁栄をどのように保っていくのか。これまでの安倍政治の実績をどう位置づけ、よりよいものにするにはどうすればいいのか。総裁選は自民党がそれを問い直す貴重な機会となる。

 「9月7日告示、同20日投開票」の日程が有力だ。安倍首相の訪露など外交日程をはさんでの選挙戦となる。

 そうであっても、かなう限り候補者同士の討論や街頭での演説を設けてほしい。インターネットの活用も図られるべきである。

 出馬会見で、石破氏は政治姿勢として、謙虚や正直、透明、公正を掲げた。「森友・加計両学園問題」をめぐる首相側の対応や相次いだ官僚の不祥事が念頭にあるのだろう。

 謙虚や正直などは、どの政権でも欠かせないものだ。その上で重要なのはやはり政策である。

 石破氏が、人口急減や少子化、超高齢化、貧困の拡大、地方の疲弊、東京への一極集中、激変する安全保障環境などの問題解決を訴えたのは妥当だ。ただ、そのための政策がまだ分からない。具体策を提示して論じてほしい。

 安倍首相は10日、石川県選出国会議員や県議らと面会した際、憲法改正について「何としても自分が首相の間にやり抜きたい」と語った。

 石破氏も争点とする考えだ。国民に憲法改正の必要性を理解してもらう論戦を期待したい。