着た切り雀で外国記者を監視する当局者 日中の「情報不均衡」に嘆息

北京春秋
 北戴河に掲げられた、習近平国家主席の思想を宣伝するスローガン=2日、中国河北省北戴河(共同)

 7月末に中国河北省秦皇島(しんこうとう)市の避暑地、北戴河(ほくたいが)を訪れると、高速道路の料金所では同市に入る全車両を対象に検問が行われていた。大型バスの乗客も全員が身分証の提示を求められた。

 中国共産党の幹部らが集う非公式会議、北戴河会議を控えての厳戒態勢だ。日中、尾行してきた当局者が携帯電話で「仕事が終わったら酒を飲みに行こう」と誰かを誘っているのが聞こえた。翌朝ホテルのロビーでは前日と同じ服装で待機しており、少しだけ気の毒に感じた。

 貴重な税金や人材を投入してまで外国記者を監視する意味があるのか、いつも疑問に思う。外国メディアであることを理由に、地震の被災地入りを拒否されたこともある。

 一方、7月の西日本豪雨では中国国営メディアの日本駐在記者が被災地の様子を詳細にルポしていた。現場に足を運ぶ姿勢に感心する半面、日中間の情報アクセスの格差にはため息が出る。情報発信の面でも、日本を含む西側メディアのサイトの大半は、中国では原則的に閲覧できないのだ。

 米国との通商摩擦が激化する中、中国当局は「貿易不均衡」の批判をかわすために輸入拡大や市場開放をアピールしている。どうせなら「情報不均衡」も一緒に是正し、報道の改革開放に踏み切ってほしいものだ。(西見由章)