韓国船の領海侵入 竹島の返還要求忘れるな

主張

 韓国政府所属の海洋調査船が、竹島(島根県隠岐の島町)周辺の日本領海に侵入した。政府は、日本の同意を得ずに海洋調査を実施した疑いがあるとして、2度にわたって抗議した。

 だが韓国は、自国に領有権があるとして日本の抗議をはねつけた。

 極めて遺憾である。竹島は日本固有の領土だ。韓国に、海洋調査を行う権利などありはしない。直ちに竹島の不法占拠を解いて返還すべきである。

 海洋調査船の侵入は8月1日、2日の両日だった。韓国は、日本の朝鮮統治からの解放を祝う15日の「光復節」に向けてナショナリズムが高まる時期だ。そこに目をつけた、文在寅政権による反日色の濃い、政治パフォーマンスではないのか。

 北朝鮮は核・弾道ミサイルを放棄していない。米国とそれぞれ同盟を結ぶ日韓両国は、連携する必要がある。そのような時期に、文政権が北朝鮮には融和姿勢を示しつつ反日行動をとるのは、愚かであると言わざるを得ない。

 竹島は歴史的に一貫して日本のものだった。証拠となる歴史的文書や地図も多い。

 ところが、まだ占領中の昭和27年1月に、韓国は沿岸水域の主権をうたう「李承晩ライン」を一方的に定め、竹島をその中に含めて日本漁船を拿捕(だほ)するなどした。

 海上保安庁と島根県が28年6月、竹島に領土標識を建て、不法上陸していた韓国漁民らを退去させたが、翌月には竹島へ赴いた巡視船が韓国船から銃撃された。29年8月には巡視船が、竹島に居座った韓国の「警備隊」から約200発もの銃弾を浴びた。韓国による侵略行為そのものである。

 菅義偉官房長官は記者会見で、抗議の事実と、海保が警戒を続けることを明らかにした。それは妥当だとしても、肝心の点が抜けている。竹島返還をきちんと要求したという説明が、どこにもないのである。

 河野太郎外相も、2日にシンガポールで韓国の康京和外相と会談したが、「時間的制約」を理由に海洋調査船の問題を取り上げなかったという。

 政府のこのような姿勢は心もとない。領土、領海という国家の主権に関わる重要事であるにもかかわらず、真剣さが足りない。腰の引けた対応では、相手に足元をみられるばかりだ。